年下攻め

ベイカーベイカーパラドクス/暮田マキネ(ネタバレ・感想)仄暗くも歪でピュアな兄弟愛!心して刮目せよ!

ライラ
ライラ
こんにちは、BL歴25年のライラです
BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました!

暮田マキネ「ベイカーベイカーパラドクス」のネタバレ込みの感想をご紹介します。

このBLをおすすめできる人

「病み」「執着」といったワードにピンとくる人
兄弟同士のちょっぴり重くダークな話を読んでみたい人
シリアスな話が好きな人
ストーリー性を重視して読みたい人
深くて濃い話を読んで、心打たれたい人

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当記事はネタバレ込みの内容になっているので、ご注意ください!

 

ベイカーベイカーパラドクス『カップリング』

弟 × 兄

ライラ
ライラ
兄弟同士のカップリングです!

 

ベイカーベイカーパラドクス『BLジャンル』

高校生
制服
兄弟
執着攻め
ヤンデレ攻め
クーデレ攻め
年下攻め
かわいい受け
天然受け
健気受け
純粋受け
過去に訳あり・トラウマ
切ない
ダーク
あまあま
シリアス
病み(ソフト)

ライラ
ライラ
全体的に重めの作品なので、表紙とのギャップがありすぎましたw

 

ベイカーベイカーパラドクス【あらすじネタバレ】まとめ

ちょっとおバカな兄・十亀秀征(ユキ)と、しっかり者の弟・秀臣(臣)は二つ違いの兄弟で同級生だった。

兄弟にはルールがあった。

“悲しみはキスで、喜びはハグで、寂しさは体温で慰め合う”

 

だめだめで甘ったれなユキに並々ならぬ想いを抱いている臣。
毎度のことながら女の子に振られてしまうユキは、振られるたびに臣に慰めてもらう。

ユキと臣は、そんな日常を過ごしていた。

 

ある時、学校の研修で家を空けることになった臣。

ユキの面倒を見るために従兄弟のノリちゃんが自宅に泊まる予定だったのだが、急な仕事が入り泊まりに行けなくなったので、ユキの友人であるヤマが代わりに泊まることになった。

そのことを電話で臣に報告するユキ。

正直臣は、ユキの友人・ヤマに対して良い印象を抱いていなかった。

ヤマには帰ってもらうように冷たく指示を出す臣。
臣の態度に、怒られたと思ってしまったユキは動揺する。

臣のユキへのあまりの執着ぶりにイラっとしたヤマは、話途中で電話を切った。

動揺したユキは、ヤマに
「ごめんなさい、ユキのことも臣のことも嫌いにならないで」と伝えた。

ヤマは特に気にする様子もなく、ユキをなだめた。

さらにヤマは、ユキに「弟離れしろよ」と言うのだった。

 

ユキには秘密があった。

そのことはもちろん兄弟である臣は知っているし、友人であるヤマも知っているのだが!?

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ベイカーベイカーパラドクスを読んだ感想

私が実際に読んでみて、まず最初に率直に感じたことは、「ギャップがありすぎてびっくりした」という感想でした。

表紙や絵の雰囲気、公式のあらすじを読んだ限りでは、“切なくもほのぼのした兄弟ものBLなのかな〜”と思い読み進めたのですが、めちゃくちゃ深いしダークです。

ぶっちゃけ、重いです・・・(苦笑)。

読み始めの私の先入観とのギャップがありすぎたので、“重い”と感じた部分も大きいのですが、シリアスで重めの話が苦手な人には、あまりオススメできない作品かもしれません。

「病み系BL」とも少し違う気もするのですが、兄弟同士の執着が狂気にも見えて、病み要素を感じざるを得ないお話でした。

 

臣とユキはごく普通の兄弟なんですが、一緒に寝たりキスをしたりします。

普通に考えたらおかしな関係なんですが、BL的には十分あり得る設定なので(笑)、私は特に気に留めず話を読み進めていきました。

 

しかし、物語を読み進めていくにつれて、臣とユキの関係に、私たち読者は少しずつ“違和感”を感じてきます。

少しずつ兄弟の違和感を読者に見せていく話の作り方や構成、そして言葉選びが絶妙に上手くて、作者・暮田マキネ先生の才能を感じざるを得ませんでした。

もう、この時点で私は本作の世界観にのめり込んでいましたね。

ライラ
ライラ
暮田マキネ先生先生は、前作『つむぎくんのさきっぽ』から話の構成や言葉選びがとても上手い方だなと思っていたのですが、今作もその才能を発揮されていました!

 

少し種明かしをすると、ユキはとある出来事がきっかけで事故に遭ってしまい、記憶の一部を失っています(逆行性部分健忘症)。

現在も治療中です。

記憶が欠如し、知識も低下しているので、本当は18歳なのに挙動が幼くて、入院生活により筋肉が衰えて体もめちゃくちゃ華奢・・・とても18歳の少年には見えないんです。

 

ユキは、ただ単に無邪気でかわいい系の子なのかな?と思っていたのですが、まさかこのようは背景があったとは想像もできませんでした><。!!!

本当のユキは、知的で優秀で今のユキとは正反対のような性格をしています。

 

そんなユキを支えるのが、弟の臣。

事故が原因で以前と違った人格になってしまったユキのことを両親は見放してしまうのですが、臣はそばでいつもユキを支えています。

臣からは狂気を感じるくらいにユキに執着するのですが、事故に遭ったのは“自分のせいでもある”と自責の念があるのか、純粋に秀征のことを愛しているのか・・・屈折した兄弟愛を色濃く印象付けたのは、秀臣の存在でした。

 

クライマックスでユキは、

「家族も恋人も兄弟も全部臣がいい。臣の全部で一番になりたい」

と、臣に想いを伝えます。

このユキのセリフが、作品全体を通してすべてを物語っているように感じ、目頭が熱くなる印象的なシーンでした。

一見して複雑に絡み合っている兄弟愛のように見えるかもしれませんが、ユキと臣の間にある気持ちの根底は、とてもピュアで尊いものなんです。

「ただお互いのことが大好きで、お互いがお互いのことを必要としていること」

シンプルな答えだけど、そこに行き着くまでの過程が深すぎて、とても考えさせられる作品でした。

 

本作は、設定や展開が切なすぎて、胸を痛めるシーンがたくさん登場しますが、最終的には歪ながらも兄弟同士で愛を分かち合いハッピーエンドを迎えるので、その辺に関してはご安心ください。(メリバではないので、ご安心を・・・)

ダークで重い話が好きな人、深くて濃い内容の作品を読みたい人、心に迫る考えさせられる作品を読みたい人には、きっと刺さる作品です。

ライラ
ライラ
まだ未読の方は、ぜひ読んでみてください!
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「病み」「執着」といったワードにピンとくる人
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