ギャングの飼い方/秋久テオ(ネタバレ・感想)過去から来たアメリカンギャング×平凡サラリーマン

ライラ

こんにちは、BL歴25年のライラです
BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました！

秋久テオ「ギャングの飼い方」のネタバレ込みの感想をご紹介します。

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ギャングの飼い方『カップリング』

ライラ

攻めは、過去からタイムスリップしてきたアメリカンギャングという設定です！
受けはごくごく普通なサラリーマン

ギャングの飼い方『BLジャンル』

ライラ

攻めがギャング設定ということで、痺れるほど渋くて男前です

ギャングの飼い方【あらすじネタバレ】まとめ

主人公・杉守悠（27）は、平凡なサラリーマン。
上司から仕事を押しつけられて残業続き。
もうすぐ日付が変わろうかという時刻になって、自宅マンションへ帰り着く。

そこで突然、眼光鋭い外国人の男から拳銃を突き立てられた。
「ここの住人か」と問いかけられて、家に押し入られてしまう。

悠は日常生活に支障がない程度に英語が話せたので、おそるおそる、自分は人質なのかと問いかけた。
意思疎通が図れたことで、少しだけ空気が和らぐ。

殺さないと言われ、水をくれと言われて、少しずつ話をした。

男は、仕事の途中で気づいたらここにいたのだと言う。
仕事とは、殺し・恐喝・ギャンブルなど。
マフィアかと聞けば、組織には入っていないと返ってくる。

しかし男が口にする場所は、現代の日本には存在せず節々に違和感があった。

男の煙草が７本目に突入するくらい時間をかけて、話をした。
それらの疑問から導いた答えは、この男は過去から来たのではないか、というもの。

いやいや、突拍子がなさ過ぎる、とも思ったが、悠は下手に男を刺激しないように努めた。しかしその身体は、恐怖に震えていた。

男は「警察にでも突き出すか。留置所もどこもオレの知らねえ場所だ、好きにしろ」と言って煙草を吹かしている。
その瞳はどこか遠くを見ていて、すべてを諦めているかのような表情で、悠は目がそらせなかった。

明日も仕事があるから寝ないと…、でも寝たら殺されるかもしれない、そもそも仕事に行けるのか。
いや、これは夢だ…と思いながら、いつの間にか眠りに落ちていた。

翌朝目覚めると、ソファで男が寝ていた。
夢じゃなかった。
お金も食べ物も好きにしていいから、命だけは見逃して欲しい。
そう願って、悠は仕事に向かった。

落ち着かない気持ちで一日を過ごし、持ち帰りの仕事を抱えて帰宅。
男は「オマエに取り引きを申し込む」と札束を差し出してきた。
全部やるから、匿えと。
金の出所を聞けば、「世の中知らねえ方がいいこともある」と。

悠の中には恐怖心もあったが、悠を殺した場合に一番困るのはこの男。
だから殺されはしないはず、と自らを納得させて、二人の共同生活がスタートする！

男の名前はクライド。
生まれは1921年、戦争には行ってねえと言う。
口数が少なくて表情も乏しく、考えていることもわかりにくい。

あれだけの大金を突然持ってきたのだから、一人でもなんとかやっていけるのだろう、とも思ったが、悠はクライドの面倒を見続けた。

拳銃を持つな、一人で外に出るな、他人と喋るな、さまざまなルールを強いた。

思いの外穏やかな日々が続いていたある日、クライドが突然の壁ドン。
「オレは一人で行動したらいけないのなら、オマエが相手しろ」と迫ってきて…？！

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ギャングの飼い方を読んだ感想

この漫画はジャンル分けするならファンタジーに入るのかもしれません。
確かにクライドはタイムスリップして悠の前に突然現れましたし、それ以降も悠はクライドに振り回されます。

しかし、クライドには『元の世界に帰りたい！どうやったら帰れるんだ！？』というような思いはなく、ストーリー上も『どうしてクライドはタイムスリップしたのか』という謎は解けることなく終わります。
タイムスリップとかファンタジー要素はこの漫画の、ごくごく一部に過ぎません！

この漫画の注目点は、タイムスリップしたせいで『一匹狼のギャング・クライド』が人に頼らざるを得ない状況に陥ったということ。
そして、そこに遭遇したのが『面倒見の良い悠』であったこと。

クライドと悠がどうやって距離を縮めていくのか？！というところが最大の見所です！！

クライドは元々裏社会の人間として生きていたギャングのような人物なので、悠の元を去ってそちらの道に走ろうとします。
その結果、銃を突きつけられたりとハードボイルドな展開に！

『この世界にいないはずのクライド』なので、警察や病院に行けないし目立つ行動も避けなければならない。
大きな秘密を共有している2人は、2人ぼっちの中で少しずつ距離を縮めていきます。

風邪を引いて看病してもらったり、悠の同僚とクライドが顔を合わせたりというほのぼのとしたシーンもあり、ほっこりします。

詳細はぜひご自分で見て頂きたいので省きますが、いろいろな困難に遭遇して乗り越えていくうちに、クライドの中で悠に対する形容詞が変わっていくところに注目してください！
最初は貧弱、次にお節介、その次にお人好し……クライドの悠に対する態度も表現も、どんどん柔らかなものになっていきます。

クライドはクールで強くて、屈強な男です。
日本にタイムスリップする前には、誰にも頼らず、誰のことも信用せず、一人で生きてきたのでしょう。
「ギャングの飼い方」というタイトルはこの辺なのかな、と思います。
荒くれ者がいつの間にか、悠のペットに成り下がるお話（笑）。

ライラ

誰にも懐かない孤高の狼（クライド）が悠にだけ懐いて甘えてる、みたいな、とても素敵なカップルなんです！！

ぶっ飛び設定とは真逆に、悠とクライドの気持ちの変化にはとてもリアリティがあり、見ていてとてもきゅんきゅんしました！

外国人×日本人ものの醍醐味と言っても過言ではない「ヤってるときほとんど日本語になってるの、気づいてねえだろ」という胸アツシーンもしっかりあります。

ライラ

普段は英語で会話しているのに、そういう時には理性が飛んで無自覚に日本語になっちゃうってエロくないですか？

悠エロ過ぎです。

私自身、何度も読み返したほど大好きな作品です！
本当に心から続編が出てくれることを祈っています。

絵柄がめちゃくちゃキレイで、男の裸体をとてもセクシーに描かれています。
セックスシーンも大迫力、外国人ってすごい…と思わずうっとりしてしまいます。

作者・秋久テオさんはこれで初コミックスだそうで、末恐ろしいです。
ぜひ読んでみてください！
そして続編が出てくれるように願いましょう！

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