男前攻め

百と卍 1巻/紗久楽さわ(ネタバレ・感想)江戸時代BLの金字塔!【文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞】

ライラ
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こんにちは、BL歴25年のライラです
BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました!

紗久楽さわ「百と卍」1巻のネタバレ込みの感想をご紹介します。

このBLをおすすめできる人

時代背景や時代考察の基づいたリアルな男色もの作品を読みたい人
時代ものが好きな人
BL初の快挙!「第22回 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」優秀賞受賞作品を読みたい人
粋な男たちの人を愛する生き様に心打たれたい人

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当記事はネタバレ込みの内容になっているので、ご注意ください!

 

百と卍『カップリング』

元火消しの伊達男 × 陰間あがりの男

ライラ
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江戸時代後期を舞台としたBL作品です!

 

百と卍『BLジャンル』

時代もの
男前攻め
ワンコ受け
一途
切ない
あまあま
BL名作

ライラ
ライラ
ここまでしっかりと作り込まれた時代ものBL作品は今まで見たことない!と思うくらいに、一貫された世界観を堪能できます

 

百と卍 1巻【あらすじネタバレ】まとめ

時は江戸時代・後期。

真夏の蒸し暑くせまい長屋で、熱い吐息交じりにまぐわう男がふたり。

客に男色を売った男娼の総称=陰間(かげま)。
元・陰間の百樹(ももき)は、ある雨の日に卍(まんじ)に出逢い拾われた。

陰間の仕事としてではなく、やさしく愛おしく、恋人として抱かれる瞬間はまるで夢のようで、そんな日々に百樹は幸せでいっぱいなのだった。

たとえ過去に、どんなことがあったとしても。

伊達男×陰間あがり。
溺れるほど愛おしい江戸男子の艶ごと極上エロス。
江戸漫画の革命児、紗久楽さわが描く、初のBL作品!

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百と卍 1巻を読んだ感想

いや〜!!!素晴らしい作品でしたね!

「素晴らしい作品」という一言で片付けてしまうのがチープに思えてしまうくらいに、これまでにない衝撃的な作品でした!

江戸時代を舞台にしたBL漫画って今までたくさん発売されてきたと思いますが、百と卍ほどに作り込まれた世界観の作品は見たことないです!

読み終わった後は、時代劇の大作映画を観終わったかのような充実感を感じ、ただただその洗練された世界観に圧巻してしまいました。

 

ここまでリアルで艶美な世界観の時代ものBL漫画は見たことない!

時代ものって、結構雰囲気だけの作品って多いじゃないですか。

例えば髪型。
髷を結ぶ際に、頭頂部は剃髪せずにそのまま長い髪を結うだけの登場人物って結構見かけますよね。
現代人からしたら、頭頂部を剃って髷を結う髪型は、ちょっと滑稽に見えてしまうので、「かっこいい男」のイメージを崩さないように考えてキャラ設定をしているのでしょう。

しかし百と卍は違います!

男の登場人物はみんな、頭頂部を剃髪して髷を結う髪型をしています!

それがカッコ悪いとか、ダサいとかまったく思わないんです!

作者・紗久楽さわ先生の画力と作り込まれた世界観がその髪型を粋でかっこいいと思ってしまうんです!

 

その他にも、キャラクターが喋る言葉。
雰囲気だけの時代ものBLの場合は、結構現代語訳したカジュアルな言葉を話すことがほとんどですが、百と卍は違います。

バリバリの江戸弁や上方語が使われています!

多少は現代人の我々にも分かりやすく解説等も入れてくれているのですが、書かれている文章が理解しにくくて、1冊を読み上げるのに通常のBL漫画よりも時間が2倍かかりました(笑)。

でも、その言葉遣いも作品の世界観を作り上げるのに重要な役割をしており、とにかくカッコよくて粋なんです!

今まで江戸っ子とか江戸弁について詳しく知らなかった私ですが、すっかり江戸弁と江戸の男たちの粋でかっこいい生き様に惚れてしまいました

 

作者・紗久楽さわ先生の圧倒的な画力なくしては、この作品のこの完成度はあり得ない!

そして、百と卍の世界観を作り出すことに欠かせないものは、作者・紗久楽さわ先生の圧倒的な画力です。

まるで浮世絵から出てきたかのように、妖艶で色っぽい絵を描かれます。
時に筆を使って描かれた描写も登場し、絵のタッチも「江戸時代」という時代背景にとてもマッチしていて、さらに物語に引き込まれました。

江戸時代の文化について、相当勉強をされたんでしょうね。

原作も自分で考えて、絵も自分で描いて・・・

「漫画家の方って本当に天才だな」と再認識させられた作品でした。

 

ストーリーはほのぼのと切なさがいい塩梅で展開!そしてお互いを想い合う熱量がハンパない!

肝心の物語ですが、攻め・元火消しの卍と、受け・陰間あがりの百樹がすでにラブラブな恋人同士というところから始まります。

淡々とした日常を送りつつも、お互いのことを大事に思っているやり取りが節々に散りばめられていて、ほのぼの・ほっこりする内容となっています。

 

しかし1巻後半では、陰間時代の百樹の回想が描かれています。

これが切ないの辛いのなんのって・・・><。

売春が当たり前のように行われていた時代のことなので、この物語が妙にリアルに感じてしまい、心が痛くなりました。

だからこそ、年季があけて陰間を卒業した百は、卍と出会ってから、幸せになれたことは心から祝福できました。

 

「ふんどし」という新たな萌えに巡り会えた

また、個人的に・・・
百と卍を読んで、新たなBL萌えの分野を広げました。

それは「ふんどし」です。

ふんどしって、ちょんまげ同様に現代人の我々にとったら少し滑稽な存在ですよね。

ですが、私がその魅力に気づいていないだけでした。

 

百と卍では度々ふんどし姿の男たちが出てくるのですが、それがセクシーすぎて堪らない

引き締まったお尻に食い込むふんどしが、かなりな萌えポイントでした!!!

ライラ
ライラ
その他にも、和彫に萌えました
卍は両腕〜肩〜背中〜臀部〜太ももまで華麗な和彫を施しているのですが、めちゃくちゃかっこよかったですよ〜!!

 

BL界では初快挙である「第22回 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞」を受賞

これまでたくさんの江戸時代ものBLがあったにも関わらず、百と卍は「江戸時代BLの金字塔」とも言われています。

そして百と卍は、BL漫画では初快挙である「第22回 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞」を受賞しています。

すごくないですか?

最近ではBLというジャンルがかなり認知されてきましたが、元はアングラなジャンルでもあり、腐女子が陰でこっそり楽しむためのジャンルでした。

それが、文化庁の賞を受けるなんて・・・

 

それくらい、百と卍は衝撃作で、BL漫画と一括りにはできない芸術的価値のある作品ということなんです。

これは、読んでみるしかない作品ですね!

 

 

時代ものBLということで、ここ最近味わうことができなかった魅力がたくさん詰まっている作品です。

人気作のため、現在3巻まで発売されており、まだまだ続編が描かれています。

近年稀に見る、素晴らしい世界観を描き切った作品なので、未読な方はぜひ読んでみてくださいね!

このBLをおすすめできる人

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2巻・3巻感想は以下の記事から

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