年下攻め

三角オペラ/冥花すゐ(ネタバレ・感想)三角関係のドロドロと病みが満載【BL上級者向け】

ライラ
ライラ
こんにちは、BL歴25年のライラです
BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました!

冥花すゐ「三角オペラ」のネタバレ込みの感想をご紹介します。

このBLをおすすめできる人
  • 心理描写を重視した作品を読みたい人
  • ドロッとした病み系三角関係BLを心ゆくまで堪能したい人
  • BL上級者向け
  • ドラマCD化されたBL人気作を読みたい人
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当記事はネタバレ込みの内容になっているので、ご注意ください!

 

三角オペラ『カップリング』

高校生
×
音楽教師

山口(攻)

高校生
腹黒
俺様
狡猾
褐色肌
制服

貞木(受)

教師
地味
寡黙
淫乱
ゲイ
メガネ

大河内(攻)

高校生
ヘタレ
男前
優しい
童貞
制服

貞木(受)

教師
地味
寡黙
淫乱
ゲイ
メガネ

ライラ
ライラ
本作は、三角関係BLです!

 

三角オペラ『BLジャンル』

三角関係
シリアス
病み
ダーク
切ない
学園
BL上級者向け

ライラ
ライラ
かなりドロついた作品なので、BL上級者の方におすすめです!

 

三角オペラ【あらすじネタバレ】まとめ

学園の情報屋・山口は、どんな手を使っても他人の情報(弱味)を手に入れる。
時には体を使うこともあった。

新しい情報を仕入れるために男を抱き終わった後、山口は廊下で学園の王子様こと大河内とすれ違った。

大河内は、山口に音楽の授業のレポートを白紙で出したことを指摘した。

音楽担任の貞木が、白紙レポートを出した山口を探していたので、たまたま山口を見かけた大河内が代わりに伝えたということだった。

 

山口は案の定、貞木に呼び出され、レポートを再提出するように言われた。

「選択授業ごとき、なんでここまで真面目に取り組まなければならないのか…」

山口は貞木が苦手だった。

レポート提出や、これ以上授業態度に関して干渉して欲しくない山口は、貞木の弱味を握ることにした。

 

貞木が教師宿舎に帰宅すると、ドアの鍵が開いていた。
さらには、鍵付きの机の鍵が開けられていたことに気がつき焦る!

そこには、山口が居た。

山口は、貞木が隠していた一冊の日記を持っていた。

その日記には、貞木が大河内に抱いている気持ちを綴っていた。

貞木は大河内に淡い恋心を抱いていた。

 

大河内への気持ちを周囲にバラされたくなかったら、今後の授業態度に干渉しないように山口は貞木に命令した。

しかし貞木は「それはできない」と言った。

「私のせいで君から音楽を学ぶ機会を奪ってはいけない」と、淡々と言う。

さらに、ゲイであることを周囲にバラしても構わないが、大河内の名前は出さないで欲しいと貞木は言った。

貞木の中で大河内は、美しい思い出として昇華されていくことを願っていた。

 

そんな貞木を見て山口は、「本当は大河内とヤリたいんだろ?」と押し倒す!

大河内をそんな目で見たことがないと否定する貞木。

すると山口が、取引として「飽きるまで相手をしてくれたら日記のことは秘密にしてあげる」と言い!?

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三角オペラを読んだ感想

三角関係のドロドロした様子を胸をえぐられるような心理描写で描かれていて、とても重厚感のある作品でした。

私は基本的に三角関係BLは、読後感のモヤモヤ感が半端ないので得意な方ではないのですが、本作は別格でした!

むしろ本作のように共依存めいた三角関係は大歓迎です!!

 

寡黙で地味な音楽教師・貞木は「先生のピアノが好き」と懐いてくれる大河内に密かな恋心を抱いています。

もちろん大河内に気持ちを伝える気はありません。
教師と生徒の関係であることはもちろん、男同士であり、大河内家は由緒正しき家柄のお坊ちゃんで住む世界が違いすぎるからです。

貞木は、大河内の思い出の中にいた一人の内でもいいと、秘めた思いを静かに育んでいました。

 

しかしそんな大河内への想いが、学園の情報屋と呼ばれる山口にバレてしまいます。

山口は最初は自分の授業態度に干渉してくる貞木を黙らせる目的で弱味を握ったのですが、貞木と性的な関係を持つようになり、次第に貞木に惹かれていくようになります。

王道のBL展開であれば、このまま山口×貞木でゴールインするのが定説だと思いますが、ここに大河内が加わってドロドロとしていきます。

 

大河内は、絵に描いたような品行方正なお坊ちゃん。
童貞で恋愛ごとにも疎く、貞木に対して抱く暖かい感情の正体が何なのか分からないでいました。

ここでのポイントは、大河内と貞木は実は両思いだったということです。

大河内は無自覚に貞木に惹かれていたので、2人の気持ちが通じることはなかったのですが、大河内×貞木の関係性は純文学を読んでいる気分になるように光に溢れてピュアすぎました。

しかしそんな清らかな関係にも、暗雲が立ち込めます。

山口と貞木の禁断の関係を知り、純白で綺麗と思っていた貞木が男を求める姿を見て、大河内は次第に壊れていきます。

真っ白のキャンバスに、黒色の絵の具を垂らしたような・・・
少しずつ黒色が侵食していって抜け出せない沼にハマっていくような展開に、ゾクッとしました。

 

私は俺様で腹黒な攻めが好きなので、今作の場合だと山口みたいな攻めがモロに刺さるはずなんですが(しかも褐色肌も大好き)、しかし今回に限っては大河内にどハマリしてしまいました。

貞木との美しい想いを壊され、それでも内側から湧き出してくる「貞木を抱きたい」という欲情に支配され、その葛藤が素晴らしく、純白無垢だった優等生の本性がむき出しになる様に最高に萌えさせていただきました❤️

一見すると貞木が2人の男に翻弄されて病み落ちした感じがするのですが、個人的には今作で一番病み落ちしたのは大河内だと思っています。

穏やかな品行方正な優等生が、本性を暴かれてドロッとした沼に落ちていく姿がここまで素晴らしいとは・・・(しかも攻め側の)
また新しい自分のBL的性癖に目覚めた気分でした❤️

 

大河内の魅力を語りすぎましたが、山口も魅力溢れるキャラクターです。
山口は高校生には見えないほどの影を持った男です。

粗暴で俺様なのに自分のことを「ボク」と呼ぶところに、違和感を感じると同時に「闇」を感じ取れました。
今までの人生、いい人の皮をかぶって生きてきたんだろうな、と。

山口は人の弱味につけこむ狡猾さを持っていて、ズル賢く感情で動くタイプではないのですが、貞木と関係を持つようになってから、貞木に対して「独占欲」を抱くようになります。

何事にも達観し、何を考えているか分からない男なんですが、そんな山口が感情を露わにして狂愛にまみれながらも貞木に惹かれていく姿は必見ですよ❤️

 

ドロドロな三角関係BLを読みたい人には、間違いなくおすすめできる作品です!
3人がどういった結末を辿るのか、ぜひその目で確かめてくださいね。

ライラ
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