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左藤さなゆき「プリフェクトの箱庭」2巻のネタバレ込みの感想をご紹介します。
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プリフェクトの箱庭『カップリング』
先輩(上流階級)
×
後輩(元庶民)
イケメン
執着
ヤンデレ
男前
制服
かわいい
男前
健気
制服
プリフェクトの箱庭『BLジャンル』
男子校
シリアス
病み
身分差
男子寮
プリフェクトの箱庭 2巻【あらすじネタバレ】まとめ
前巻の感想は以下の記事から
月人は「神の子」として様々な制限をかけられた生活を送っていた。
そんな時祖母に渡された一冊の絵本をキッカケに出会ったのが、澪斗の父・佐倉征斗。
約4年続く交流の中で、月人は征斗から澪斗の話をよく聞かされていた。
会ったことはないけれど、まるで幼いころから一緒のような感覚でいた。
ところが、征斗と会っていたことが母親にバレたことで、その交流は途絶えた。
家族の死すら何も感じなかった月人が、澪斗の話が聞けなくなったと思うと心に違和感を感じていた。
周りからの「神の子だ」という認識を疑問も待たず受け入れてきた月人。
けれど、澪斗と出会い、澪斗を通して月人は初めて心が動いた。
結果、澪斗傷つけてしまったけれど、それでも澪斗の隣に自分以外がいるのは嫌だと月人は澪斗に伝えた。
それに対して澪斗は、これから一緒に心を作っていこうと月人伝えた。
その後、月人の軟禁が解かれ、復帰した澪斗。
澪斗の言葉がキッカケで、少しずつ変わっていく月人を受け入れない周囲。
そんな中、友人の久世から創立祭のことを聞かされる。
しばらくして、構内で姉妹校カリテス女学院の女子生徒と月人が一緒に歩く姿を澪斗は見かけた。
周りから隣の女子生徒は月人の婚約者だと聞かされ、ショックを受けている自分に驚く澪斗。
さらに、月人の婚約者である清華が、澪斗の前に現れる。
清華は、澪斗の存在は月人に悪影響だから彼の前から消えてほしいと伝えた。
さらに清華は、承諾するのなら「離れ離れになった月人の弟妹の居場所を教える」と言う条件をつけた。
月人が変わることが悪いとは思えないと伝えると、澪斗の存在が月人のプラスにならないと言う清華。
返事は創立祭で聞かせてほしい、とそのまま清華は去った。
立ち尽くしていた澪斗に声を掛けたのは、元同室で友人の住永だった。
住永に事情を話すと、恋人ではなかったのかと尋ねられ即座に否定。
住永は、月人の行動は執着心からくるものだったのかと聞かれ、答えられなかった澪斗。
その夜、澪斗は何気なく婚約者のことを月人に聞いてみるが、はぐらかされ何故か心が苦しくなる。
翌日、忘れ物を取りに美術室へと向かった澪斗。
イーゼルに立てかけられたたくさんの絵。
その瞬間、かけていた布が風で飛ばされ、絵が露になった。
月人の絵がいくつも描かれていた。
さらにそこには、澪斗が閉じ込められた際に持ち去られた、指導生の証であるタイがあった。
もしかして、と思う澪斗。
この美術室をよく使う人物を思い出す。
「見つかっちゃった」という声が背後からし、振り返ると友人の住永がいて・・・!?
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プリフェクトの箱庭 2巻を読んだ感想
神様のような少年と元庶民との箱庭での恋を描いた作品の第2巻。
2巻からは、新たなキャラクターも追加され、ますます面白くなっていきます。
前回月人に対して怒りを露わにした澪斗でしたが、今回は月人の生い立ちから話が始まります。
月人は幼い頃から「神の子」と言われ、最悪な環境で育ってきたのですが、そこで出会ったのが、澪斗の父でした。
月人は7歳という幼さですでに、自分には心がないと達観していました。
そんな月人に征斗は言いました。
「心は育てていくもので、月人もきっと心動かされる人との出会いがある」と。
私はこの場面が一番印象に残っています。
すべてのことに無関心・無感動だった月人に、ひとつの道を示してくれた征斗の言葉。
この言葉が無ければ、月人は恐らく澪斗に出会っても何も感じなかったでしょうね。
澪斗と出会って、心が育っていくように感じた月人。
今まで、誰かの傍にいたいと思うことがなかった月人は、ある意味で愛情を履き違えてしまい、1巻のような暴挙に出てしまったんですね。
ここにきて、間違った愛情だったことに気がつきます。
そんな月人に澪斗は、月人は心がないのではなく「さみしいや愛しいといった感情を知らないだけ」と思います。
だから一緒に知っていきたいと、月人に伝えました。
対等に歩んでいきたいという、澪斗の想いがやっと月人に伝わったのです。
けれど月人の変化は、澪斗や月人にとっては良いことでも、周りにとってはそうではありません。
それは月人の婚約者・清華も同じです。
清華がまた嫌な感じのお嬢様で(笑)、澪斗のことを俗物に汚されるとか言ってしまう始末。(ヒドイ・・・)
一番卑怯なのは、澪斗の弟と妹を引き合いに出すことです。
最終的にこの婚約者は、月人から婚約を破棄されるので、少しスカッとしますよ。
婚約者に対して、君は不要だと言うシーンはしびれました(笑)!
そしてこの巻での一番の見どころは、澪斗の月人に対する気持ちの変化です。
月人に、婚約者がいたことにショックを受けたりします。
澪斗の感情が、恋愛感情へと徐々に変化している様が丁寧に描かれています。
この繊細さは、さすがさなゆき先生作品ですね。
澪斗は住永の裏切りにあいますが、むしろ住永のことがあったことで澪斗は月人への想いに気づいたと言っても過言ではありません。
もう最終回でもいいんじゃないの?というくらいに、澪斗が月人に想いを伝える場面は歓喜の声を上げたくらいでした!
それにしても月人への気持ちを自覚した澪斗が、その日のうちに気持ちを伝えるところは受けだけど「男前だな〜」と改めて思いました(笑)。
この巻では、友人の久世や花菱も出てきて、それぞれ澪斗や月人のために動いてくれます。
1巻に比べて、月人の執着心は表に出てはいないので、病んでる系が好きな人は少し物足りないかもしれません。
しかし月人の言葉の節々に独占欲の塊のようなものも伺えて、またそこがゾクッとしてしまいます。
お互いが好きという想いだけでは終わらないのがこの作品。
まだ続きます!是非読んでみてください。
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次巻の感想は以下の記事から