BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました!
itz「コントラスト」のネタバレ込みの感想をご紹介します。
- 高校生のアオハルBLを楽しみたい人
- 映画のような重厚感のあるストーリーに浸りたい人
- 男同士ならではの切ないストーリーが好きな人
- 心理描写を重視した作品を読みたい人
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コントラスト『カップリング』
高校生
×
高校生
ノンケ
ワンコ
制服
クール
ゲイ
制服
ニュアンスで決めさせていただきました。
コントラスト『BLジャンル』
切ない
すれ違い
片思い
トラウマ
エロなし
学園
同級生
青春
コントラスト【あらすじネタバレ】まとめ
翔太(かなた)は、サッカー好きな高校2年生。
それなりにモテるし彼女がいたこともあるが、何事にも本気になれずにいる。
とある出来事により、“本気でサッカーをするのをやめてから”は、あらゆる物事に対してすっかり冷めきってしまっていた。
そんな翔太はこのところ、特進クラスにいる陽(あきら)のことが気になって仕方がない。
陽は特進クラスの人間で、翔太との接点なんてないし、もちろん話をした記憶もない。
けれど毎日のように廊下ですれ違い、毎度のように目が合うのだ。
好奇心に逆らえずに、ある日翔太は陽の後を追って屋上への階段をのぼった。
陽は一人ぼっちで、爆音のメタルを聞いていた。
品行方正で成績優秀な陽が見せるギャップに、つい惹かれてしまう翔太。
この日以降、屋上前の階段は2人の密会場所になった。
2人は一見すると正反対で、翔太はいつも騒がしい友達と一緒にいるし、陽は一匹狼だ。
けれど一緒にいる空間が心地よくて、話せば盛り上がるし、沈黙も苦にならない。
翔太にとって陽といる時間は穏やかで、心地よくて、今まで誰にも話せずにいたようなことも話せてしまう。
サッカーが好きだったけど、弟の持つ才能に嫉妬してしまって、今はもう真面目に出来なくなってしまったこと。
本気になってしまうと後が辛い…という先入観がついてしまい、何事にも打ち込めないこと。
ポツポツと話す翔太に、陽は過剰な同情もせずに受け止めてくれた。
翔太は一層陽に懐き、もっと陽のことを知りたいと思うようになっていく。
ところが陽はどことなく翔太に対して壁を作っていて、「俺のことを全部知ったらつまらなくなるよ」と意味深に呟く。
その言葉通り、陽には絶対に翔太には知られたくない秘密があるようで…?
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コントラストを読んだ感想
表紙からの期待どおり、めちゃくちゃ重厚で切なくて、心あたたまるラブストーリーでした。
高校生ならではのピュアさ・純愛感がありつつも、大人のズルさも漂っていて、胸を締め付けられるお話です。
青臭い純愛を想定していた私としては、かなり予想外な展開!
しかも、ページ数が330ページ超えという大ボリュームなのです!!
読み終わったあとには一本の映画を見た後のような満足感と、疲れが押し寄せました…(笑)。
今作の魅力はなんと言っても「高校生ならではの危うさ」と、「トラウマを乗り越える強さ」かなと思います。
翔太は大好きだったサッカーで挫折してしまい、女遊びも勉強もそこそこに楽しむという体たらくになってしまっています。
かといってチャラいとかグレてるとかでもなく、どこにでも居そうなかっこいい男の子。
一方、陽は成績優秀な優等生だけど、誰にも言えないトラウマを抱えていて、人と深く関わることが出来ずにいる。
2人ともにそれぞれ、ある種の熱量が不足しているんですよね。
一生懸命にならないし、どこか一歩引いているような節があります。
でも2人とも世渡り上手というか、自分の感情をうまくコントロール出来ているんです。
自分のトラウマからうまいこと目を背けて、そこそこ平穏無事に毎日を過ごしていたんです。
そんな2人が、ポツポツと話しをするようになって、じわじわを惹かれ合って、次第にお互いへ熱のこもった視線を向けるようになっていって。
否応無しにトラウマと向き合うことになるけど、最後の一歩を踏み出すことができない。
2人は感情をぶつけあってすれ違って、お互いに傷つけあって、それでも手を取り合います。
もう、2人の姿が尊くて美しくて、でも苦しくて、読んでいて感情が揺さぶられまくりでした。
読み終わったあとには、「翔太、陽に出会えてよかったねぇええ!」って思ったし、「陽、翔太に出会えてよかったねええ!」っていう、ものすごくシンプルな感動がこみ上げてきました。
この出会いがあったから、2人はずっと目を背けてきたトラウマと向き合えたし、乗り越えられたし、より明るい未来に向かって生きていけるようになったんだろうなと思えました。
ところで……心理描写がしっかりしているものほど、読んでいて楽しい反面、ちょっと疲れることってあるじゃないですか?(笑)
しかし今作、最後の最後に「店頭配布特典ペーパー」として1ページ漫画が収録されており、コレが最高なんです!!
※私は「シーモア」で読みました。他社の電子書籍に収録されているかは未確認ですm(_ _)m
ちょっと強めのネタバレですが、この漫画は『陽は”とある男”とセフレ関係にある』みたいな匂わせが散りばめられているんですよ。
それこそ序盤から終盤までずーっと、陽が知らん男とベッドインする瞬間やら、脱いでた服を着ていくシーンやらが描かれているんです。
これが私のしんどさの主な原因なのですが(笑)、最後の最後に「えっ??!!そうだったの???!早く言ってよ-!よかった!!!!」となり、即座に読み返したくなりました(笑)。
高校生モノのBLが好きな人、ストーリーや心理描写重視派は読んで間違いなしの、心に染み入る一冊です。
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