BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました!
秀良子「金持ち君と貧乏君」のネタバレ込みの感想をご紹介します。
ほのぼのいっぱいで暖かい涙を流せる作品を読みたい人
心洗われる純愛ものBLを読みたい人
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金持ち君と貧乏君『カップリング』
同級生(貧乏君) × 同級生(金持ち君)
金持ち君と貧乏君『BLジャンル』
制服
学園
寡黙攻め
硬派攻め
黒髪攻め
ツンデレ受け
健気受け
意地っ張り
ラブコメ
ほのぼの
感動・泣ける
金持ち
貧乏
金持ち君と貧乏君【あらすじネタバレ】まとめ
「校内で商売するなって言っただろ!」
明治春人は、校内で店を広げて無断販売をする三崎に、今日も忠告した。
春人は、祖父がこの学園の理事長を務める超お金持ち。
一方の三崎は、3年前に父親を亡くし貧乏子だくさんの家庭で生まれ育った貧乏人だった。
三崎の着用している制服も、学校指定のものではなく、祖父から譲り受けたツギハギだらけの詰め襟の学ランだった。
春人の祖父と三崎の祖父は、戦時中を一緒に生き抜いた間柄だったので、三崎の学費は“出世払いで良い”と一時免除されていた。
春人は三崎のことが好きだった。
嫌味を言ったり、意地を張ってしまったり、なかなか三崎に素直になれない春人だが、何事にもまっすぐで誠実な三崎のことが好きだった。
ところが、事態が一変する!
働きすぎの過労で、倒れた三崎の母。
母にこれ以上の負担をかけられないと思った三崎は、学校を辞めて働く決意をしたのだが・・・
事情を知った理事長(春人の祖父)は、三崎に愛人契約を提案する!
春人の祖父は三崎のことを、若かりし頃の三崎の祖父を重ねているようで!?
「ぼんやりしていたら、三崎くんは私がもらいますからね」と堂々と春人に戦線布告をする!
春人も「おじいさま、僕負けませんから」と受けて立つ!
前代未聞の祖父vs孫の恋の行方は!?
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金持ち君と貧乏君を読んだ感想
「泣けるBL」と評される作品はこれまでにたくさんありますが、『金持ち君と貧乏君』はじわ〜っとゆっくりじっくり心に染み渡るような暖かさに包まれる感動作でした。
メインの高校生カップル・三崎と春人の意地っ張りながらも暖かく育まれていく恋愛模様もそうなんですが、物語のキーとなる人物は、春人の祖父です。
戦時中に、春人の祖父は三崎の祖父と出会います。
戦火の中瀕死状態だった春人祖父のことを三崎祖父は体を張って助けます。
お互いに恋心を抱いていたようなのですが・・・2人は結ばれることはありません。
これぞ耽美です!萌え!!!
時代がそうさせたのか分かりませんが、おじいちゃん達の恋はほろ苦くも切なくて必見です!!
春人の祖父はまだご健在なんですが、年老いても尚、一途に三崎の祖父のことを思い続けている姿に胸が切なくて・・・苦しくなるほど泣けてきました。
でも、春人の祖父の表情はとても穏やかで、感情を揺さぶられるような激しい描写は一切登場しなんだけど、切なくて泣けてくるのがまた、作品の味となって良いんです!
「一人の人を思い続ける」愛を感じ、切ないんだけど、心にジーンと染み渡るような暖かさも感じました。
そして、この作品の秀逸なところは、春人祖父の姿が、たまに若かりし頃の姿に戻ることです。
若かりし頃の姿で、普通に春人や三崎達と会話をするのですが、おそらく祖父の心理描写を表現しているのだと思います。
若かりし頃の自分を思い出すかのようなシーンでは、若返った姿が描かれているのだと思います。
だから、三崎とのデート中(?)には、祖父はちゃっかりと若返った姿を見せます(笑)。
普段は、のほほんとした癒し系のおじちゃんなのに、若かりし頃のシュッとしたイケメンに変貌する祖父の姿がまた、ギャップ萌えすぎました
作者・秀良子先生のセンスがうかがい知れる描写でした。
そして、孫の代になり出会った三崎と春人は、ゆっくりと恋を育んでいきます。
春人は分かりやすいくらいに三崎のことが好きなんですが、分かりやすいくらいのツンデレ&意地っ張りなので(笑)、なかなか素直に三崎のことを好きだと認めません(笑)。
まさかの祖父が恋のライバルとなり、春人の前に立ちはだかります。
春人に、「ぼんやりしていたら、三崎くんは私がもらいますからね」と、老人→若かりし頃の姿で宣戦布告する祖父と、それに応戦する春人の姿は必見です!
・・・いや、祖父は春人と三崎の恋を応援する意味で春人を焚きつけたのでしょうが、印象に残るとても素敵なシーンでした。
心の奥底まで染み渡る優しい感動に包まれたい人、ほのぼのしながらもキュンとする切なさを感じたい人には、間違いなく刺さる作品です。
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