男前攻め

鳴けないトヒコ/碗島子(ネタバレ・感想)仄暗い影を落としつつも心がほっこり暖かくなるBL!

ライラ
ライラ
こんにちは、BL歴25年のライラです
BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました!

碗島子「鳴けないトヒコ」のネタバレ込みの感想をご紹介します。

このBLをおすすめできる人

切なさと暖かさを程よいバランスで楽しみたい人
シリアスなトーンの作品が好きな人(※たまにシュールで笑えるシーンあり)
共依存もののBLが好きな人

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当記事はネタバレ込みの内容になっているので、ご注意ください!

 

鳴けないトヒコ『カップリング』

エリートサラリーマン × 自暴自棄な青年

ライラ
ライラ
安定の年上攻めカップリングです!

 

鳴けないトヒコ『BLジャンル』

サラリーマン
スーツ
男前攻め
ヤンデレ攻め
黒髪攻め
ワンコ受け
健気受け
ほだされ受け
あまあま
シリアス
ダーク
シュール
エロ多め
過去に訳あり・トラウマ

ライラ
ライラ
ちょっぴりダークな雰囲気なんですが、終始ほのぼの暖かい空気を醸し出している、不思議な作品です!

 

鳴けないトヒコ【あらすじネタバレ】まとめ

高校を卒業後、地元が居心地悪く上京してきたトヒコは、生きる気力がなく、行く当てもなく、東京の街をさまよっていた。

とりあえず住み込みのアルバイトを探していたところ、人の良さそうなサラリーマン・コウと出会う。

風俗に身を売ろうと考えていたトヒコなのだが、そんな様子を見たコウは「こんな店で働くよりウチに来なよ」とトヒコを誘う。

食事を奢ってもらった後、文字通り本当にコウの自宅に招待された。
(←トヒコは、コウにエロい動画を撮られて売られるかと思っていた)

お風呂を借り、寝る布団も用意してもらい、色々と気を使われ親切にしてもらい・・・酷いことをされると思っていたトヒコは拍子抜けだった。

 

トヒコは、お礼にとエッチなご奉仕をするのだが、逆にコウに奉仕をされてしまう!!!

さらにコウは、最中にトヒコは鳴けない(喘げない)ことに気づく。

 

鳴けるように様々に手を尽くすコウに、だんだんと心が解けていくトヒコ。
“鳴く”ためのトレーニングは天井知をらずで!?

生きるのが下手くそなエリートサラリーマン×消えたいと願う訳アリ青年の互いの抱える寂しさを埋めるように求めあう!!

上手に〝鳴く〟ためのラブレッスン開始

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鳴けないトヒコを読んだ感想

本作は、作者買いです。

碗島子先生は、コミカルでシュールなテイストのBLを描かれることが多い作家さんなのですが、今回は冒頭からガッツリとシリアスな展開でしたね。

(後半になるにつれて、だんだんとシュールな碗ワールドが展開されていくのですがw・・・)

 

「死にたい」と生きることに希望を失った主人公・トヒコ。

たまたま街で出会ったエリートサラリーマン・コウと知り合うことで、人生が一転します。

トヒコはいわゆる訳ありで、今現在お金はもちろん、住むところもありません。
そんなトヒコのことを心配したコウは、初対面にも関わらずトヒコを家に迎え入れます。

 

トヒコはお礼にと、コウに性的な奉仕をするのですが・・・

コウは、情事にトヒコが鳴けない(喘げない・声を出せない)ということに気づきます。

そんなトヒコに興味を持ったコウは、トヒコを鳴かせようと強い快感を与えたり、逆にトヒコに奉仕したりするのですが、やっぱりトヒコは鳴くことができません。

 

トヒコは、自分のことを●ぬ価値のある人間だと思っているので、衣食住やらの面倒を見てくれ、優しく声をかけ心配してくれるコウに次第に惹かれていきます・・・。

でも、トヒコの過去のトラウマが起因して、コウに頼りコウのことを好きにあることに恐怖心を覚え、トヒコはコウの元から去ろうとします。

そうこう考えているうちに、トヒコは仕事から帰宅したコウと鉢合わするのですが・・・

コウは、「おかえりが聞こえる」「あったかい」「自分の家なのにいい匂いがする」と、人のいる暖かさに異常なまでに感動し、トヒコの存在を微塵も邪魔とは思っていないようなんです。

 

実はコウはただのお人好しではなく、コウ自身も心に深い闇を抱えていたのです。

「病み」「サイコパス」と感じてしまうほど、トヒコ以上にコウは歪みまくった性格をしていたのです。

 

確かにコウは、登場当初から違和感だらけの人物でした。
言動はめちゃくちゃジェントルマンなんですが、目が笑っていないというか・・・節々に違和感のようなものを感じる描写が散りばめられていて、やっぱり作者さんの意図だったんですね。

コウの歪んだ性格に関しては、物語の核心となる面白い部分でもあるのでネタバレの詳細は控えます。

 

お互いに辛い過去とトラウマを持つトヒコとコウが出会うことで、物語はズブズブと闇に引きずり込まれていくかと思いきや、心が暖かくなる展開を迎えます。

本当に不思議な感覚なんですが、仄暗い闇を抱えてダークな気分に包まれながらも、ほのぼのポカポカした暖かみを感じる作品なんです。

ラストもきちんとハッピーエンドなので、病み系BLが苦手な人でも十分に楽しむことができます。(そもそも本作は、病みBLにカテゴライズされないと思いますが)

 

過去にトラウマを抱える2人が、少しずつお互いの本心に触れていき、トラウマを克服して幸せを掴む姿は必見です!

幸せなコウとトヒコのシーンでは、碗島子節のシュールな間と雰囲気が炸裂するので、その辺も楽しんでくださいね!

ライラ
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