BL沼にハマり、今まで累計5,000冊のBLを読みました！
楢島さち「トワイライト・プレイラバー」のネタバレ込みの感想をご紹介します。
- 長年の両片思いにドキドキしたい人
- 健気すぎる受けの心動かされたい人
- ストーリー・心理描写を重視した作品を読みたい人
- 切ないトーンの作品がお好みの人
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トワイライト・プレイラバー『カップリング』
メイクアップアーティスト
×
百貨店の紳士服売り場勤務
やんちゃ
過去に訳あり
拗らせ
ゲイ
健気
一途
ツンデレ
拗らせ
トワイライト・プレイラバー『BLジャンル』
両片思い
片思い
再会
すれ違い
切ない
拗らせ
同級生
体だけの関係
トワイライト・プレイラバー【あらすじネタバレ】まとめ
小坂伊織は高校の頃の同級生・南条敦に片思いをしている。
高校卒業後には疎遠になってしまったのだが、社会人となり南条と再会を果たす。
その後南条とはセフレ関係になっており、今日もセックスをしに南条は伊織宅にやってきた。
事後、「用が済んだら帰って」と、伊織は南条に冷たく言う。
言われた通り南条は伊織の家を渋々出るのだが、伊織は南条の残り香がのこるシーツを切なげに抱きしめた。
体だけの割り切った関係ならどれだけ楽か・・・。
伊織は南条が好きな気持ちを捨てたいと何度も思ってきたが、どんなに取り繕っても湧き出て来る想いが収まることはない。
このままでは、いつか虚勢を張っている気力の限界がきそうだと、伊織は感じていた。
仕事帰り、南条は伊織を待ち伏せしていた。
南条はメイクアップアーティストとして働いているのだが、現在伊織の勤務する百貨店に派遣されている。
間接的に職場が一緒のため、南条は伊織と一緒に帰ろうと思ったのだ。
そして南条は、伊織の手料理を食べたいと言った。
伊織は南条に対して冷たい態度を取るも、なんやかんやで寛容して言うことを受け入れてしまう。
伊織は手料理を南条に振る舞い、いつも通りの流れでセックスをした。
南条は帰り際、今の勤務先から伊織の自宅が近いという理由から「1ヶ月間居候させてくれ」と言いだす。
1ヶ月もの長い間、南条と一緒にいることなんて無理に等しい。
「好きだ」という思いが今にも溢れそうなのに、同居なんて…
南条に自分の気持ちを伝えたら今の関係が終わると思っている伊織は、短期間の南条との同居に難色を示すのだが！？
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トワイライト・プレイラバーを読んだ感想
本作は『コスメティック・プレイラバー』に登場する斗真の先輩である南条にフィーチャーしたお話です。
本編では棗にちょっかいを出す関西弁のチャラい兄ちゃんという感じでしたが・・・
まさか南条メインでこんなに素敵な恋物語を読むことができるなんて想像できませんでした(笑)。
「切なすぎる両片思いBLを読みたい！」という人には間違いなくおすすめできる作品で、長年の拗らせ愛に涙が止まりませんでした＞＜！
特に南条を支え続ける元同級生であり現セフレの伊織が健気ないい子で、読んでいて伊織に心動かされまくりました！
本作を語る上で、南条の過去は切っても切り離せないので、まずはその辺の説明からしていきますね。
南条と伊織は高校の頃に知り合います。
京都から大阪に引っ越してきてなかなかクラスに馴染めなかった伊織ですが、唯一南条だけが上手く伊織の懐に入り込みます。
そのまま2人は友達として絆を深めていきます。
南条には当時付き合っていた彼氏がいました。
南条が伊織にだけゲイであることを打ち明けてくれた優越感みたいなものを感じ、伊織は嬉しく思います。
この時点ではお互いに恋心は育ってはないでしょうが、伊織の唯一の身内祖母が亡くなってしまったことがきっかけで、2人の関係は少しずつ変わってきます。
唯一の身内を亡くして心身ともに疲弊した伊織は、南条と一緒に過ごすことで次第に心が救われます。
同じタイミングで、彼氏の浮気が発覚して南条が振られたことが分かります。
振られて自暴自棄になってしまった南条は、彼氏持ちの女子に手を出し2人の仲を引き裂くという行為を幾度となく繰り返すようになります。
とんでもない悪癖が露わになってしまい周囲からも引かれてしまう南条ですが、伊織だけは見捨てず「もうやったらあかんよ」と何度も南条を説得します。
南条はこの失恋がきっかけで「人のものにしか興味を持つことができない性格」になってしまったんですね。
『コスメティック・プレイラバー』で棗に迫った南条の思惑が、ここにきて一致しました。
伊織が献身的に南条の悪癖と向き合ったので、南条も落ち着きを取り戻します。
その頃には伊織も南条への気持ちに気が付いているのですが、「好き」という気持ちを伝えないまま2人は高校を卒業しそのまま疎遠になってしまうのです・・・。
あぁ、なんとも切ない＞＜！
この時点で伊織の片思いは、青春と共に儚く散ってしまったんですね＞＜！
しかし数年後に南条と伊織は再会します。
人恋しくなると他人の恋人を取ってしまう悪癖がまだ完全に治っていない南条の状況を知った伊織は、南条の寂しさを埋めるために自分がセフレになると言い出します。
健気すぎますよね・・・＞＜！
高校時代、身内に先立たれて孤独で辛かった伊織は南条に支えられました。
それだけではなく南条の側に居心地の良さを感じ、次第に南条のことを「好き」だと自覚し、それから幾年も一途に南条のことを思い続けています。
伊織みたいな子に一途に思い続けられるなんて、南条はなんとも思っていないのでしょうか？
いや、南条ももちろん伊織のことが好きだし、なんだったら伊織の気持ちに薄々気がついています。
気持ちに気づいているということは「伊織を利用しているの？」と思うかもしれませんが、決してそんなことではなく、お互いに今更現状を変えてしまう怖さがあったのです。
現に伊織自身も、今の関係を壊すのが怖くて南条に気持ちを伝えないままでいました。
要は、2人揃ってお互いの思いを見て見ぬふりをしてきた・・・という拗れに拗れまくった長年の両思いだったのです。
BLでは当人同士が気づかない両片思いストーリーは王道パターンなんですが、こういったお互いに薄々気づきながらも探り探りして拗れまくる両片思いパターンは逆に新鮮で、読んでいてめちゃくちゃときめかせてもらいました。
だから尚更、甘さを帯びたような強い切なみを感じる雰囲気に納得！
人を好きになると強くなれる反面、傷つくことや関係が終わることが怖くて、臆病になってしまうものです。
そんな恋愛の繊細な部分をひしひしと感じ取ることができ、違和感のない心理描写の遷移に拍手を送りたくなるほど完成度の高い作品だと思いました。
『コスメティック・プレイラバー』は職業BLの色も濃いですが、本作は恋愛一辺倒！
心ゆくまで切なくて味わい深い拗らせBLを読みたい方に、是非ともおすすめします。
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- ストーリー・心理描写を重視した作品を読みたい人
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